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第6回大相撲総選挙
取材後記
“宇良の相撲”打倒稀勢の1番手/加藤記者
- 魁聖(右)を切り返しで下す宇良
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1位 稀勢の里 6位 勢 2位 高安 7位 照ノ富士 3位 白鵬 8位 宇良 4位 遠藤 9位 豪栄道 5位 日馬富士 10位 御嶽海
宇良については、予想で確かに「台風の目」と表現したし「あっと驚く大躍進があっても不思議ではない」ともした。それでも、記したのは8位である。まさか初参戦で2位とは。こっちが、あっと驚いた。
得票コメントでは「小兵」「技」「かわいさ」「礼儀正しさ」という言葉が並んだが、稀勢の里に迫る2位の背景には、絶大な期待感がある気がする。かつて舞の海氏ら小兵の技師は“技のデパート”などと評されてきた。しかし、宇良にはその域を飛び出す力感がある。あそこまで反れる柔軟性はたぐいまれ。必死の努力で体重を増やし、140キロ寸前まで来た。それでも、動ける。稽古では前に出る力をとことん鍛えているとか。身体能力に裏打ちされた取り口が、ほんわかした風ぼうと裏腹な緊張感を生み、ファンはそこに魅了されている-と、推察する。
稀勢の里、高安、日馬富士、遠藤…。トップ10のサプライズはフタを開ければ、宇良だけ。三役と初顔合わせが実現する名古屋以降も“宇良の相撲”が見せられるなら、打倒稀勢の里の1番手なのは間違いない。【加藤裕一】