戦後初の身長150センチ台の力士誕生は幻に-。大相撲夏場所(5月12日初日、両国国技館)の新弟子検査が東京・両国国技館で行われた。

167センチ未満を対象にした4月の2次検査で元村康誠(15=佐渡ケ嶽)は159・5センチだったが、今回の新弟子検査では0・5センチ伸びて160センチを記録。戦後初の「大記録」は消滅も、15歳らしく「身長が伸びてうれしい」と笑顔を見せた。

4月19日には、体の小さな入門志望者のための運動能力テスト「新弟子2次検査」をただ1人受検し、合格。その際は159・5センチと発表され、戦後初の「身長150センチ台の力士」誕生か、と話題になった。しかし、2週間後の計測で“大台”に到達。中学卒業直後の15歳は「やっと160センチ台になった」と続けた。

小学4年で白鵬杯に出場し、2倍以上の体重の相手を破り話題になった。5年後、秀ノ山親方(元大関琴奨菊)のスカウトで佐渡ケ嶽部屋に入門。「運動神経はものすごくいい」と評される有望株だ。

目標は「小さい力士」の代表格、炎鵬(29=伊勢ケ浜)。白鵬杯でテレビの取材を受け「今度は土俵の上で戦おう」と声をかけられたという。「大きい相手に立ち向かうところがかっこいい」と憧れる。この日は内臓検査も受け、合格者は初日に発表される。「まずは十両を目指す」と足元を見つめた。