大関とりに挑む関脇高安(27=田子ノ浦)が序盤を5連勝で乗り切った。

 前日に兄弟子の横綱稀勢の里を倒した西前頭筆頭の遠藤との一番。立ち合いのかち上げではじくことはできなかったが、左を深く差すと、右手でしぼりながら力強く寄る。「圧力をかけたので、その分、自分に流れがあった。手順良く、しっかり前に出られた」。対戦成績で5勝6敗とリードを許していた相手に完勝。ファン投票で決まる懸賞の森永賞もついた注目の一番で「僕だったんですか? ありがたい」と喜んだ。

 いずれも三役だった初場所で11勝、春場所では12勝を挙げた。この日の5勝目で、大関昇進の目安となる直近3場所33勝まで、あと5勝に迫った。

 見えてきた大関の座。そして優勝争いでも、勝ちっ放しは白鵬、日馬富士の両横綱と、3人だけしかいない。「一番一番、自分の持てる力をしっかり出して、前向きな相撲を取りたい」と語る姿は、堂々としていた。