大相撲の新大関高安が5日、名古屋場所(7月9日初日・愛知県体育館)に向けて、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で本格的な稽古を開始した。強烈なかち上げや、突き、押しを軸に新たな地位を手に入れた。次の目標を初優勝に置き「これまでやってきた自分のスタイルを強化していく」と力強く言い切った。

 本人によれば3日も稽古場で軽く汗を流したという。5日は相撲を取らず、すり足をしたり、若手に胸を出したりした。当面は基本運動や体幹強化に努める方針で「激しい稽古をしても、壊れない体をつくりたい」と説明する。5月の夏場所千秋楽で大関照ノ富士の小手投げに屈した際に右肘を痛めたが「もう治った」と問題がないことを強調した。

 昇進に関わる諸行事や、テレビ出演で多忙を極め、一躍時の人となった。「『大関』と呼ばれても、まだ反応できない」と苦笑いするが、「(昇進で)いい景色を見た。これからもっと見られるようにやっていくだけ」と気の緩みはない。

 昨年の名古屋場所は三役で初めて勝ち越し、飛躍のきっかけになった。27歳の大関として迎える今年は2006年夏場所の白鵬以来となる新大関優勝を目指す。