大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、九州場所(12日初日、福岡国際センター)に向けてエネルギーを充電した。

 二所ノ関一門の連合稽古が7日、福岡・大野城市の田子ノ浦部屋で行われ、大関豪栄道と高安との三つどもえでの申し合い稽古の途中で急きょ、稽古を切り上げた。両大関に土俵を譲って稽古場を後にすると、全体稽古が終わるまで稽古場には現れず7番(3勝4敗)で終えた。

 3場所連続休場中だけに、負傷した左上腕付近や左足首に異常が出たのかと思われた。しかし、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「疲れが出ている。疲労困憊(こんぱい)。巡業も出たし、今場所に向けて一生懸命やっている。(本場所に)出る方向でやっている」と説明。福岡入り後、連日関取衆と稽古をしてきた稀勢の里の体を思いやり、大事を取ったようだ。

 稀勢の里は夕方、後援会関係者と食事をするために外出した際に、報道陣に対応した。「体がしっくりこなかった」と切り上げた理由を説明。負傷箇所の痛みについても「全然問題ない。良い感じで出来ると思う」と笑顔で話した。完全復活を目指すためには、休養も大事な稽古だ。【佐々木隆史】