2敗で横綱白鵬を追走していた西前頭3枚目の北勝富士(25=八角)は小結阿武咲(21=阿武松)に突き出されて3敗目となり、賜杯の行方を千秋楽に持ち越させることはできなかった。

 1度は左ののど輪で押し込み、土俵際まで持って行ったが、阿武咲のいなしに体が泳ぎ、逆転負けを喫した。過去0勝2敗で「やりにくい。嫌い(なタイプ)です」と話していた難敵にまたしても苦杯をなめさせられた。「(阿武咲は)やわらかい。土俵際はもう一押しだった。相性はありますね」と悔しがった。

 それでも、3横綱1大関が休場した場所で、兄弟子の隠岐の海とともに横綱白鵬の背中を追った。「意識しないようにしていたけど、いい夢を見させてもらいました。もしかしたら、行けるんじゃないかと思った」と正直に打ち明けて「(隠岐の海が)勝っていたら(自分も)勝ってたなぁ~。それは言える」と苦笑いを浮かべていた。