大相撲の横綱審議委員会(横審)が、横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)に厳罰を求めていく見通しとなった。九州場所千秋楽から一夜明けた27日、東京・両国国技館で全9人の委員が出席して開催。10月25日夜に鳥取市内で行われた酒席で、日馬富士が起こした平幕貴ノ岩(27=貴乃花)への暴力問題について報告を受け、多くの委員から「厳しい処分が必要」との声が上がった。横審としての見解は持ち越されたが、今後引退勧告を含め、厳しい判断を検討する。

 ◆横綱審議委員会 1950年5月に設置。昇進問題など横綱に関する諸案件について日本相撲協会の諮問に答申する。委員の定員は15人以内で現在は9人。任期は2年で5期10年まで。今年1月から北村正任氏(毎日新聞社名誉顧問)が委員長に就任した。横綱の「お目付け役」を務め、体面を汚したり、不成績が目立ったりする場合に、「激励、注意、引退勧告」などを出す。朝青龍が10年初場所中に泥酔し暴行問題を起こした際には引退勧告書を相撲協会に提出した。

 ◆横審の勧告規定 横綱審議委員会規則の横綱推薦の内規第5条に「横綱が次の各項に該当する場合、横綱審議委員会はその実態をよく調査して、出席委員の3分の2以上の決議により激励、注意、引退勧告等をなす」とある。該当理由は(イ)休場が多い場合。ただし休場する時でも、そのけが、病気の内容によっては審議の上、再起の可能性を認めて治療に専念させることがある(ロ)横綱として体面を汚す場合(ハ)横綱として不成績であり、その位にたえないと認めた場合となっている。なお、勧告に強制力はない。