大相撲の元横綱日馬富士関の暴行事件で、11日に書類送検された元日馬富士関への鳥取地検の判断が出るまで、日本相撲協会危機管理委員会による被害者の平幕貴ノ岩の聴取が遅れる可能性が12日、浮上した。

 貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方(元横綱)と聴取に応じる時期について認識に相違がある恐れが出てきたため。

 危機管理委の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)は11月30日の理事会で、書類送検を警察の捜査終了とし、この時点で貴乃花親方が聴取に協力する意向を示したと説明した。だが、同親方が捜査終了の解釈を明確にしていないとする理事会出席者もいる。

 鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は「あの人(貴乃花親方)が理解しているかどうか」と指摘した。

 協会は20日の臨時理事会で危機管理委の最終報告を受ける予定だが、貴ノ岩関聴取の可否は全容解明に影響を及ぼしそうだ。鏡山部長は「なかなか先が見えない」と話した。関係者によると、鳥取地検は年内にも元日馬富士関を略式起訴する方向。