横綱鶴竜(32=井筒)が会心の相撲で2連勝を飾った。馬力十分な押し相撲が売り物の小結貴景勝を、低い立ち合いでしっかり受け止め、突き、押しでも手数と精度でしのぎ、押し出した。「自分の相撲をしっかり取れた」。途中で張り手も出たことを「すべて流れの中で。だから自然と体が動く」と説明した。

 4場所連続休場からの復帰場所。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が昨年7月の途中休場時に「次に出る時は結果を出さないと」と話していたこともあって、結果次第で進退を問われかねない状況だが、背水の陣と思えない滑り出し。15日間完走したのが春場所だけだった昨年とは、まるで別人だ。「1日1日よくなっていけばいいと思う」と表情は穏やかだった。