大相撲春巡業が3日、大阪・堺市で行われ、大関高安(28=田子ノ浦)が大関・横綱で先陣を切り、本格的な稽古を開始した。

 阿炎、正代、御嶽海と相撲を12番とって11勝。「稽古時間が短いから、工夫しないとね」。ぶつかり稽古では十両相手に胸を出し、御嶽海もかわいがってみせるなど、満員の客席を沸かせながら精力的に動いた。

 初、春場所はいずれも12勝3敗で優勝次点に泣いた。「結局は稽古が足りないということ。自信がない。稽古量が少ないから、自信がないんですよ」。

 この日、春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)は土俵の充実のため「稽古の時間は少々長引いてもかまわない」と語り、次の巡業地への移動が30分~1時間ほど遅れることも辞さない構えを見せた。

 高安は「ありがたいこと。ファンサービスも大事だし、もちろんやっていますけど、1番大事なのは稽古ですから」と話した。

 夏場所(5月13日初日、両国国技館)は大関で6場所目。結果より内容重視の男も、結果はほしい。初優勝だ。

 「(平幕だった)3、4年前より、現実味がある。オレは優勝できるんだと思っていますから」。稽古は質量とも、日々上がっていきそうだ。