大相撲の春巡業が8日、静岡市で行われ、田辺信宏市長が女性も土俵に上がることができるよう求めた。幕内取組前の土俵上でのあいさつで「私は男性だから土俵上でごあいさつさせていただいていますが、先日、兵庫の宝塚市長が女性だからという理由で、土俵の下であいさつさせられました。全国の市長が土俵の上であいさつできるよう、21世紀の中で変えていただきたい」と訴えた。

 今回の春巡業では、4日に京都・舞鶴市で多々見良三市長が土俵でのあいさつ中に倒れ、救命処置で駆け寄った医療関係者の女性に対して、土俵から下りるよう場内放送が流れた。6日の兵庫・宝塚市では女性の中川智子市長が土俵に上がることができずに「悔しいです」などと、あいさつで訴えていた。

 巡業後、報道陣に対応した田辺市長は「一石を投じたかった。伝統は大切。しかし長く続くには、その時代、時代に対応できるようにしなくてはならない。これから(2020年東京)オリンピック、パラリンピックを控える中で、国際的に発展していくためにも見直しの議論をする時期だと思う。同じ市長仲間の思いを代弁させていただいた」と力説した。