西十両4枚目安美錦(39=伊勢ケ浜)が、東十両5枚目大翔鵬(23=追手風)を下して再入幕に向けて弾みをつけた。

 「しっかり当たって前みつ(を取る)と思っていた」と振り返った通り、立ち合いで左前みつをがっちりと取り右上手を取った。頭を相手の胸につけながらタイミングを見計らい、相手が前に出てきたところで体を開いて下手出し投げで転がした。

 膝の負傷に苦しみながらも土俵に上がり続けるベテランは「劇的に良くなることはないけどやれることをやるだけ。しっかりと(ケガと)付き合っていくことが大事」と、ケガを言い訳にはしない。その中で初日が出たことで表情も軟らかかった。帰り際には「今日は父の誕生日だったのでいいお祝いになったんじゃないかな」と満面の笑みを浮かべた。