大相撲の横綱白鵬(33=宮城野)が、最近2場所で優勝している貴景勝、玉鷲の両関脇を相手に驚異の28連勝を飾った。春場所(10日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けて5日、大阪・堺市の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。自身は伊勢ケ浜一門だけにサプライズでの参加となったが、昨年11月の九州場所を制し、春場所では大関とりとなる貴景勝、さらには今年1月の初場所を制した玉鷲を立て続けに指名。貴景勝に最初の一番こそ押し出されたが、これで火が付いたのか、その後は怒濤(どとう)の17連勝。間髪入れずに玉鷲に相手を替え、こちらは無傷の11連勝。計29番で28勝1敗と、絶好の仕上がりを披露した。

ともに立ち合いの圧力に定評のある相手だ。真っ向から組み止めることもあれば、時には張り差しや、相手の視界を遮るように左手を伸ばして圧力を軽減させるなど、さまざまな立ち合いで対応。2人が初優勝する前の昨年9月の秋場所で、41度目の優勝を果たしている第一人者が存在感を示した。30分間で連続29番のハイペースで、この日ダントツの番数をこなしたが「(その後も)全然やれる余力を残している。自分の中では15番ぐらいの感覚。あと10番ぐらいはやりたかった」と、涼しい顔でスタミナ十分を強調した。

今回のサプライズ参加には「先場所で負けているからね」と、雪辱の思いもあった。初場所では12日目に玉鷲、13日目に貴景勝に敗れ、一時は独走状態だった優勝争いのトップから引きずり下ろされ、14日目から休場した。この日の稽古後は「勢いがある人と稽古したいと思っていたし、やりがいがある」と、充実感を口にした。特に貴景勝は今場所、大関とりがかかっているが「今度は彼が(相撲界を)引っ張っていく存在。自分の稽古でもあるし、彼の稽古でもある。あと、少しの運をいただく感じ」と話した。

本場所としては平成最後となる今場所、さらに新元号最初となる5月の夏場所には特別な思いもある。「最初と最後が大事。3月、5月は引っ張らないといけない気持ち。このごろケガが多いけど、ケガなく千秋楽を迎えられれば、結果はついてくると思う」と、通算42度目、さらには43度目の優勝をも見据えていた。