初日恒例の協会あいさつで、日本相撲協会の八角理事長(55=元横綱北勝海)が、館内のファンに向けて「平成最後」の文言を入れた。

あいさつの途中に「平成最後の本場所にふさわしい、白熱した相撲で皆さまのご期待にお応えできることと思います(後略)」と発し、新元号となる5月を前に、30年4カ月の歴史に別れを告げる「平成」への思いを込めた。

これについて同理事長は「また新しい時代に向かうが、いい相撲で(今場所を)終われればいい」と願った。自身は、昭和最後の場所となった88年(昭63)11月の九州場所を振り返り「昭和の最後は休場だったな」と懐かしむように笑みを浮かべた。ただ89年1月7日に昭和天皇が崩御し、元号が平成に改まって初めてとなった89年(平元)1月の初場所は、3場所連続全休明けながら14勝1敗で制し「平成第1号」の優勝力士にもなった。当時を振り返り「休場明けだったから15日間、必死に土俵を務めるしかない、という思いだけだった。それが優勝につながったのではないかな」と述懐した。