右膝関節の内側側副靱帯(じんたい)損傷で5日目から休場していた新大関貴景勝(22=千賀ノ浦)が18日、中3日の8日目から再出場することを決めた。

大関の再出場は51年1月場所の汐ノ海以来、68年ぶりで戦後2度目と極めて異例。横綱を含めても、貴景勝の前師匠にあたる貴乃花が引退した03年初場所以来、16年ぶりだ。4日目に御嶽海に勝ったが右膝を痛め、全治3週間の診断。7月の名古屋場所をかど番で迎えるとみられたが一転、3勝2敗2休から残り8番で5勝以上、勝ち越しを目指す。

前日17日深夜に都内の部屋を訪れ、師匠の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)と話し合って決めた。この日の朝稽古後、師匠が「大丈夫です。自分の相撲を取れます」と、前夜の貴景勝の出場直訴の様子を明かした。高気圧酸素カプセルや注射、複数のトレーナーらの施術により、痛みも腫れもなく、半月板の損傷もないと説明された。目の前で顔色も変えず、膝の曲げ伸ばしなどを披露された千賀ノ浦親方は「無理して、我慢してやっている表情ではなかった。最後まで取りたい気持ちが大きいのでしょう」と、意思を尊重した。

8日目は193キロの小結碧山との対戦が組まれた。専門家にテーピングを施されて出場予定で、師匠は「突き、押しのいつもの自分の相撲を取って、絶対に下がるな。下がると痛みが出る」と、取り口にも注文。少しでも痛みが出た場合、半ば強制的に再び休場させる意向だ。この日は姿を見せなかったが、当日の朝稽古の参加も不明。ぶっつけ本番で本場所に臨む可能性もある。