大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)が、異例の“ぶつかり拒否”に苦言を呈した。8日、新潟・糸魚川市で行われた秋巡業に参加。

ぶつかり稽古で同県出身の前頭豊山(26=時津風)に胸を出し、約7分間引きずり回して「もういっちょ!」と声を掛けたが、息の上がった豊山は首を横に振った。「イヤですと言われたのは初めてだった。思わず笑ってしまったよ」。転がして受け身を取らせ、稽古を切り上げた。

「自分で自分を止めるのは良くない。『ごっつぁんです』と言わないと、強くならない」。郷土力士の懸命な姿を見せることで会場を沸かせたかっただけに、白鵬は不満げだった。稽古後、トイレで豊山とすれ違い「強くなりたくないのか?」と声を掛けると「強くなりたいです」と返ってきたという。豊山は「(横綱の胸出しは)押しているのに攻められている感覚だった。相撲界に誰もいないような感じ」と振り返った。