日本相撲協会は24日、春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。西前頭17枚目だった初場所で14勝1敗の好成績を残し、史上2度目の幕尻優勝を果たした徳勝龍(33=木瀬)は、自己最高位となる西前頭2枚目に大きく番付を上げた。

大阪・吹田市の部屋で会見を行った徳勝龍は、新たな番付表を確認して「やっぱり、いつもと違う。身が引き締まった」と、真価が問われる春場所へ心境を語った。

最高位を更新するのは、西前頭4枚目に就いた15年夏場所以来で、約5年ぶりになる。「5年というのは、自分でもすごいと思う。そんな人、あまりいないんじゃないですか?」と思わず笑みをこぼした。「十両が長かったので、このまま十両で終わるのかなという気持ちもあったけど、初場所で優勝して少し自信になった部分がある」。今場所は横綱戦を含めて、上位総当たりが予想される。33歳での初金星獲得に向けても期待が高まるが「できることしかできない。けがしないように初日を迎えることが一番。自分のできることだけやる」と淡々としていた。

初場所後はパレードやテレビ出演などで引っ張りだこだったが、疲労の色は見せない。「まだ33歳、年は気にしない。気持ちが若いので」。一方で土俵外での態度には気をつかっている。「見られている、注目されているのは感じる。言動、行動はしっかりやらないといけない。そこはもう33歳でやっていきたい」。快挙から1カ月。優勝力士としての自覚も強まった。

国内では新型コロナウイルスが猛威を振るい、イベントの自粛が広がっている。角界でも、28日に大阪市内の商業施設で一般公開される予定だった二所ノ関一門の連合稽古が、新型コロナウイルスの影響で中止になった。春場所開催に向けて不安は収まっていないが、徳勝龍は「周りの人に大阪(春)場所どうなるの? と聞かれるけど、自分らはしっかり準備するだけ。しっかり稽古をしていきたい」と、自らに言い聞かせた。奈良県出身。「準ご当所」となる場所に向けて、入念に調整を進める。