大相撲の第58代横綱千代の富士の優勝額が8日、JR両国駅の西口改札内に設置され、同所で除幕式が行われた。

次女でモデルの秋元梢や、レスリング女子でオリンピック(五輪)3連覇の吉田沙保里さん、ボクシングの元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏らが出席。

優勝額は14度目の優勝を果たした85年九州場所のもので、大きさは縦3メートル、横2メートル。千代の富士の故郷である北海道福島町の福島町総合体育館に飾られていたが、千代の富士の遺族から設置の相談があった。

千代の富士の長男、秋元剛さんは主催者あいさつで「昭和61年から34年の時を経て、大相撲ゆかりの地であるここ両国に優勝額が戻ってきたことに特別な思いが込み上げてきます」と万感の思いを語った。

現在の九重部屋を率いる九重親方(元大関千代大海)は、来賓あいさつとしてコメントを寄せた。「師匠が勝ち星を重ねて獲得された31枚の優勝額のうちのこの1枚、昭和の横綱千代の富士の筋骨隆々の肉体から繰り出される稲妻のような上手投げ、美しい土俵入りの姿をいつまでも語り継がれることを願います」。先代九重親方の千代の富士が膵臓(すいぞう)がんにより61歳で死去し、部屋を継承して4年が経過。この日は日本相撲協会の規制で出席できなかったが「これからも師匠の相撲道を受け継ぎ、部屋の繁栄、相撲の発展に変わらず努力してまいります」と、師匠としての意気込みを語った。

東京・両国国技館の最寄り駅である同駅に飾られている優勝額では14年3月以来の設置で三重ノ海、2代目若乃花、武蔵丸、白鵬の4横綱に続いて5枚目となった。【佐藤礼征】