日本相撲協会審判部は6日、東京・両国国技館内で、新型コロナウイルス感染防止のため会場を通常の福岡から東京に変更して開催する大相撲11月場所(8日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、東西の両横綱、白鵬(35=宮城野)と鶴竜(35=陸奥)の休場が決まった。

9月の秋場所でも、初日からこの両横綱が休場。2人以上の横綱全員が初日から不在となるのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降では、37年ぶりの事態(83年夏場所=千代の富士、北の湖)となったが、2場所連続の複数横綱不在という史上初の事態となった。

腰痛の鶴竜は前日5日、既に本人が休場を明言していた。3場所連続18度目の休場で横綱在位39場所中では17度目の休場に、電話取材では「次に出た時は、ちゃんとした結果を残さないとだめ」と話し、来場所以降に進退を懸ける覚悟を示していた。ここまで相撲を取る稽古を再開できないままだった。先場所後の横綱審議委員会(横審)の定例会合では、激励などの決議こそされなかったものの、さらに厳しい立場に置かれた。

一方、右膝負傷で2場所連続休場中だった白鵬は「右膝関節鏡手術、術後血症で約2週間の加療を要する見込み」の診断書(5日付)を提出した。白鵬については前日、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が、6日に出場の判断を下す姿勢を示していた。さらに「もし出られなかったら、来場所に進退を懸けて頑張るしかない」と話していた。10月に両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古には参加し、新大関正代らと相撲を取るなど元気な姿を見せていた。ただ、通常は番付発表以降に行う出稽古が出来ず、調整に苦慮していたようだ。

休場は自身初となる3場所連続の17回目で、最近3年(17場所)で皆勤は6場所にとどまっている。このまま千秋楽まで休み、2場所連続全休となれば、01年春場所の初土俵以来、初めてとなり、今年5場所の皆勤は44度目の優勝を果たした3月の春場所だけとなる。