大相撲春場所(14日初日、東京・両国国技館)に自己最高位で臨む、東前頭8枚目琴ノ若(23=佐渡ケ嶽)が6日、稽古後に報道陣の電話取材に応じ、近況を語った。この日は平幕の琴恵光と琴勝峰と申し合い稽古を行ったという。「番数は数えていない。だいたい時間でやっている。1時間くらいかと思うけど、自分たちの感覚でしっかりやっている。番数とかに縛られずにやれることをやっている」と連日、納得するまで稽古している。

昨年春場所で新入幕を果たし、1年がたった。同場所では9勝するも、同年7月場所では左膝を負傷して途中休場して十両に陥落。しかし、翌秋場所で9勝を挙げて1場所で再入幕を果たすなど踏ん張った。「けがをするというのは弱かったということなので、その部分をしっかり鍛えたりとか。考え過ぎないでやることも大事なのかなと思って、がむしゃらにやることだけを考えてやっていました。勉強した1年だったと思います」と振り返った。

1月の初場所では、自己最多の10勝を挙げた。勢いに乗る若手の1人は「地力をしっかりつけて、当たり負けしないとか、基礎的な部分が大事になってくると思う。先場所の成績は自分の中では自信になりましたし、土台を作る上での経験になったかなと思います」と地に足をつけている。

スポーツの強豪校の埼玉栄高時代には、プロ野球の19年育成ドラフト1位で西武に入団した出井敏博と、3年間同じクラスだったという。「結構しゃべってました。本人も(プロを)目指してましたし、入ってからもお互い頑張ろうと言って」と親交があったという。現在も連絡を取り合う仲で「向こうもキャンプだったりで忙しいと思う。おのおのでいい報告ができればいいんじゃないかなと思います」と、それぞれの舞台での切磋琢磨(せっさたくま)を誓った。