関脇高安(31=田子ノ浦)が、8連敗中と苦手の大関正代を圧倒して寄り切り、勝ち越しに王手をかけた。

「まわしがほしかった」と立ち合い、左前みつを狙い、右四つに。正代にはまわしを与えず、左上手を引きつけながら圧力をかけて寄り切った。「台本通りにいきました。よく考えてすもうをとることができてよかったです」。

前日9日目は、全勝の大関照ノ富士を追い詰めながら惜しい勝負に敗れた。「昨日は落ち着きのない相撲だった。今日はしっかり腰を落として冷静にいけた。まわしが取れたので落ち着いて攻めようと思った」。狙い通りの完勝だった。

勝ち越しに王手も3敗と初優勝には厳しい状況にある。「いい一番だったので明日につなげたい。肩の力を抜いてリラックスしてやりたいです」。先場所は小結で10勝。照ノ富士に続く大関復帰への足固めとして、三役で連続2桁の大きなモチベーションがある。