白鵬休場で一人横綱で臨んだ新横綱の船出を、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)も高評価した。

取組では大型力士同士の対戦で、小結逸ノ城(28=湊)を右四つに組み止めると、左前まわしを引いて腰を落としながら、盤石の寄りで横綱初白星。「いい踏み込みをしているから右四つになれる。左(前まわし)もいいところを取れた」と盤石ぶりを解説した。

新横綱初日で、最も緊張するとされる横綱土俵入りについても言及。「落ち着いていました。優勝や優勝争いをしてきて、先場所も優勝決定戦のようなもの。相撲の自信が(そのまま土俵入りにも)表れている」と評した。

理事長自身の新横綱(87年名古屋場所)当時を振り返り、土俵入りは「所作を間違えたとしても『仕方ない、相撲で勝てば許してもらえるだろう』ぐらいに思いながらやった。でも、間違えてはいけないと緊張した」と懐古した。あらためて照ノ富士の土俵入りには「堂々としていた」とほめ「土俵入りには同じ所作にも各自の色が出るもの。同じ型でも柔らかい人、かたい人、大きい人、小さい人とね」と話した。

◆不知火型 せり上がりの際に、両手を左右に開く。積極的な攻撃を示すものといわれ、背に回った結び目の輪は2つ。第11代横綱不知火光右衛門の豪快かつ優美な型を踏襲したといわれるが、現在の土俵入りは第22代横綱太刀山の型を基にしている。