大相撲九州場所(14日初日、福岡国際センター)で上位復帰を目指す西前頭5枚目豊昇龍(22=立浪)が、おじで元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ(41)が九州場所観戦を示唆したことを受けて、奮起を誓った。

9日、都内の部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じた。ダグワドルジ氏が先月4日、ツイッターに「九州場所見に行く」、「久々相撲見るの楽しみ」と投稿。おじの目前で相撲を取ったことはないだけに「褒めてもらうような相撲を取りたい。(おじが)来ても来なくても、変わらずにいきたい」と意気込んだ。

自身はすでに九州入りし、この日は福岡県内の宿舎で関取衆を相手に約30番相撲を取って調整した。19年以来2年ぶりの福岡開催となり、4年前の17年九州場所で新弟子検査を受けた22歳は「自分的には思い出のある場所。ケガせずに、とりあえず勝ち越しを目指してやりたい」と話した。

東前頭筆頭で5勝8敗2休に終わった先場所後、ゴムチューブを腰に巻いて出足を磨くトレーニングを取り入れた。「付け人に引っ張ってもらっている。前よりも立ち合いをもっと速くしないといけないので。(トレーニングの効果で)自分的にはすごくいい感じに体が動いてる」と好調をアピールした。

旧友の角界挑戦にも刺激を受けている。モンゴルから同じ飛行機で来日し、一緒に千葉・日体大柏高のレスリング部に入部したプレブスレン・デルゲルバヤル改め欧勝馬(24=鳴戸)が、幕下15枚目格付け出しで九州場所でデビューする見通し。「ちょうど7年前、今年で8年目だけど、モンゴルから同じ飛行機で同じ空港にきた。仲間が、友達が相撲の世界に入ってきてうれしい」。豊昇龍は高1で相撲に転向して卒業後にプロ入りし、2学年上の欧勝馬は大学でレスリングから相撲に転向した。欧勝馬が相撲を始める際は相談を受けて「やりたいことやればいいんじゃない」と後押ししたという。

欧勝馬は日体大4年だった昨年11月の全国学生選手権を制して付け出し資格を得るなど、満を持して相撲界に入った。「大学の1番取った人なのですごいなと思う。そのうち上に上がってくると思うけど、上でやるのを楽しみにしています」と対戦を待ち望んだ。