幕内経験者で右膝の大けがから復帰して5場所目の東幕下37枚目友風(26=尾車)が白星発進した。

若手の東幕下38枚目大和湖(22=山響)に押し込まれる場面もあったが、相手の動きをよく見て回り込み、はたき込みを決めた。「慌てずにうまくできた」。

ちょうど2年前の19年九州場所、2日目の取組で土俵下に落下した際に悲劇が起きた。右膝関節脱臼で7場所連続休場。懸命なリハビリにより師匠の尾車親方(元大関琴風)に「奇跡」と言われるほどの回復を見せ、今年3月の春場所で復帰した。

2年前にアクシデントを起こした九州場所の土俵に特別な意識はないというが、復帰後は毎場所「怖さをなくすのはできない」と話す。「(むしろ)どう対処するのか教えて欲しいです。対処できないので、付き合うしかない。克服はできない」と胸中を明かした。

一方、回復は順調で、今場所から右膝にテーピングを施さずに土俵に上がる。「トレーニングして膝の状態は良くなっている。必要ないと思って外している。リハビリとトレーニングをずっと積んでいるので」。場所前は同部屋の十両矢後らと負荷を上げて稽古を重ねてきたという。幕下で相撲を取るのは18年秋場所以来。「いい相撲を取っていきたい」と意気込んだ。