西前頭15枚目の阿炎(27=錣山)が3度目の敢闘賞も、最後の相撲は隆の勝に完敗した。

「勝って締めたかったというか、自分の相撲をとれずに終わった。相手の立ち合いがよかったというか、自分が押し込まれた。次の課題が見つかった」。立ち合いから隆の勝に圧倒された。消したはずの「引き」も出て、何もできずに押し出された。

それでも12勝3敗。再入幕で最後まで優勝争いを盛り上げた。昨年7月場所中の日本相撲協会のガイドライン違反から出場停止処分。力士生命の危機から「相撲と向き合うことを決めた」。決死の覚悟で体と心を立て直し、今場所の活躍につなげた。

「まだ自分では変われたのは分かっていないですが、相撲と向き合い、家族を大事にしてきた。変われたかなと思います」。来場所は幕内上位が濃厚。「もっと鋭い立ち合いができれば、突き詰めるところはたくさんある」。今場所は完敗した横綱照ノ富士に来年こそは。より高みを目指していく。