平幕の隆の勝(27=常盤山)が、横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)と並走する優勝争いトップの座を守った。

過去7戦全勝と合口のいい霧馬山(26=陸奥)に、本来の形ではない左四つに組まれたが、強引な左からの外掛けに出た霧馬山が墓穴を掘る形となり、重心を後ろに下げただけで霧馬山はバッタリ。相性の良さも手伝い突き落としで3場所ぶりの11勝目(3敗)を挙げた。

相手の自滅のような、転がり込んだ白星に日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)も「流れが来ている気がしますね。負けないことが大事だから」と本来の押しや、右を差して前に出る相撲ではなく、ラッキーな勝利と受け止めた。あらためて隆の勝の相撲について言及。「積み上げてきた馬力がある。小細工しないのがいいし、けれん味がない。一生懸命なお相撲さんらしい(力士)。信用が置けるというか」と、お褒めの言葉を並べた。千秋楽は「1日2番」の勧めを説くように「横綱と優勝決定戦を取るぐらいの心構えでいればいい」と話した。