西74枚目の魁禅（29＝浅香山）が東13枚目の若ノ勝（19＝常盤山）を押し出して破り、7戦全勝で優勝を飾った。「とりあえず優勝できてうれしいです」と復活をかみしめた。

最高位は昨年春場所の東幕下31枚目。しかし、その前から患っていた腰の違和感で6月に椎間板ヘルニアの手術に踏み切った。夏場所から3場所連続の全休。昨年九州場所、西序二段52枚目から土俵に復帰して今場所、結果を残せた。

師匠の元大関魁皇の浅香山親方から「腹筋を鍛えろ」とアドバイスされた。師匠は腹筋を鍛える器械も導入してくれたといい、「80キロのおもりで100回を3～5セットやっています」。腰への負担を軽減する腹筋の強化も、今場所の好成績につなげた。

年明け、部屋の力士で行った書き初めには「完全復活」と書いた。「自分の最高位を目標に。そこにたどり着けたら超えていけるようにしたい」。まだ腰への不安は消えていない。「リハビリも兼ねているので、腹筋を鍛えていきたい。どんどん番付を上げて、上で通用できるような稽古をしていきたい」。回り道を逆にプラスへ。復活の優勝を自信に、再び険しい番付の山に挑む。