大相撲史上初の東大相撲部出身の東三段目73枚目の須山(25=木瀬)が、三段目デビュー戦を白星で飾った。立ち合いから狙い通り前に出る攻めを見せ、土俵際でも冷静に豪正龍(武隈)をすくい投げで下した。「しっかり落ち着いて前から攻めれた」と納得の一番で、好スタートを切った。

番付が上がるにつれて、体重も徐々に増えてきた。新弟子検査時に104キロだったが、今は「115キロを超えてきました」。髪も伸びてきて、まげを結えるのももうそろそろになってきた。付け人を務める十両の英乃海から助言を受けながら、申し合い稽古後には腕立てやテッポウ、ダンベルなどトレーニングを重ねてパワーアップに努めている。

3月に東大も無事卒業を果たし、二足のわらじを履く生活も終わりを迎えて気持ちもより一層引き締まっている。入門から1年を経過して「あっという間でした」と語り、今の番付には「もっと上がれるかなと思っていた」と満足はない。目の前の一番に集中して白星を積み重ねる。【平山連】