大関経験者で西前頭2枚目の朝乃山(29=高砂)が、結びの一番で大関豊昇龍に敗れ、平幕だった19年春場所以来、4年半ぶりに4連敗を喫し、2勝4敗となった。4日目の貴景勝、5日目の霧島に続き、3日連続で大関に敗れた。豊昇龍には先場所7日目に上手投げで敗れ、その際に左上腕二頭筋部分断裂のけがを負って翌8日目からは、4日間休場していた。雪辱を期して臨んだが、かなわず、右からの下手投げで転がされた。関脇以上との対戦は、関脇大栄翔を残すのみ。7日目は東前頭2枚目の阿炎と対戦する。

立ち合いは「先に、先にと意識しすぎて(陸上競技の)フライングみたいになってしまった。待ったかと思って、フワッと立ってしまった。悔やまれる」と、圧力を伝えられずに中途半端となった。得意の右四つにこそ組み止めたが「先に上手を取られたし(自身の)上手が遠かった」と、体勢十分ではなかった。「春巡業から見ていて(豊昇龍は)右からの投げが強い印象だった」と、先場所は右からの上手投げで敗れていただけに、警戒していたが、右からの下手投げで敗れた。「本場所で(右からの投げを)食らうということは、まだまだ勉強不足」と、肩を落とした。

大関戦3連敗に「負けているので、それは結果を受け止めるしかない。稽古、心技体が足りない」と、反省の言葉を並べた。大関戦を今後にどう生かすか問われると「生かすどころか相撲がダメ。何も生かせない」と話し、唇をかんだ。反省の弁は止まらず「これが今の自分の実力。今場所は精いっぱい、できることをやりたい。切り替えるしかない」と続けた。

前日5日目は、霧島と1分を超える熱戦の末、最後は外掛けに天を仰いだ。1つの場所で3連敗を喫するのは、大関2場所目の20年秋場所初日から3日目以来、3年ぶりだった。取組後は「当たって中に入るつもりだったが、相手の方が低かった。もう切り替えるしかない」と、悔しそうに振り返っていた。それでも切り替えきれず、豊昇龍との対戦成績も、これで3戦全敗となった。この日の取組後には「(連勝発進した)最初の2日間は何だったのか。まぼろし…」とぽつり。勝った初日、2日目まで偶然だったと思い始めたのか、自信を喪失した様子を見せていた。