東十両5枚目の大の里(23=二所ノ関)が、十両優勝争いのトップを守る11勝目を挙げた。立ち合いから朝紅龍を押し込んだが、相手の左おっつけを嫌い、差そうとしていた右を上手に替えると万全。そのまま圧力をかけて押し出した。「とにかく攻めていった。止まらず、中に入れさせずに走れてよかった」と、うなずいた。11勝3敗とし、来場所の新入幕が濃厚となった。

相手は日体大の2年先輩で、2年連続アマチュア横綱の看板を引っ提げて臨んだデビュー戦では、苦杯をなめさせられていた。2度目の対戦でも敗れ、デビュー以来、3場所連続での対戦となった先場所で、ようやく初白星を挙げた因縁の相手でもあった。それだけに「他の力士よりも意識するか?」の質問に「もちろん。ずっとデビューしてから勝てず、4場所連続で当たったこともビックリした。相手も調子が良いので、油断しないように、1番1番に集中している」と、特別な存在だと認めつつ、平常心を保つことを心掛けたという。

これで来場所の新入幕に大きく近づいた。ただ、その点については「何も考えていない。自分が決めることではないので。審判部が決めること」と、気を緩めることなく、冷静に話した。

3敗で並ぶ琴勝峰も勝ち、トップタイで千秋楽に臨むことになった。4敗はいないため、十両優勝は大の里か琴勝峰に絞られた。千秋楽の割(取組)が打ち出し後に決まるため、相手は不明だが「明日(千秋楽)の割に集中するだけ。あとは来場所に向けて、いいつながりができれば」と、優勝という結果よりも、新入幕が予想される来場所へ勢いのつく白星で締めたい考えだった。