西幕下6枚目の嘉陽(24=二所ノ関)が、6勝1敗の好成績で今場所を終え、来年1月の初場所での新十両昇進の可能性を残した。東幕下21枚目の鳴滝との1敗対決は、立ち合いから突いて出て、起こしてからはたき込んだ。十両昇進は当落線上だが「上がれなかったとしても確実に次につながる」と前向きに話した。

初日に若隆景を破って勢いに乗った。相手は関脇だった春場所から、けがで番付を落として4場所ぶりの復帰戦。それでも今場所5勝2敗と実力を示した相手に快勝し「普通にうれしかった。今場所は流れがよかった」と振り返った。二番相撲こそ敗れたが、三番相撲から5連勝締め。「負けた相撲も、勝った相撲も前に出ようとしていた。相手にまわしを取らせずに前に出られた。自分が引いてくるのは、みんな分かっている。場所前は前に出る、押す稽古をしていた」と、圧力がついた実感が、自信にもつながったという。

同部屋で同世代の高橋、大の里が先場所で十両に昇進し「いい刺激になっている」と負けられない思いが強くなっていた。「部屋には関取衆も増えていて、いい稽古ができている。いっぱい自信をつけていきたい」と今場所後、昇進できるかどうかで一喜一憂せずに、精進することを誓った。