日本相撲協会は25日、新年最初の本場所となる大相撲初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。

注目は大関経験者の朝乃山(29=高砂)。5月の夏場所で幕内返り咲きを果たすと12勝3敗、8勝4敗3休、9勝6敗と3場所連続勝ち越し。先場所は返り三役目前の東前頭筆頭だったが、場所前のケガで初日から休場。8日目から出場し土俵では4勝4敗と五分だったが、7つの休みがあり、今場所は番付を6枚下げ西前頭7枚目からの再スタートとなった。

東西の筆頭は、今年は年6場所全てで三役だった若元春(30=荒汐)が、平幕最上位の東前頭筆頭からの出直しとなった。西は大躍進の熱海富士(21=伊勢ケ浜)。再入幕の先々場所は優勝同点、先場所は優勝次点と、2場所連続11勝を挙げ千秋楽まで優勝を争った。初の上位総当たりの場所で再び旋風を巻き起こせるか。楽しみな存在だ。豪ノ山(25=武隈)も、新入幕から3場所連続で自己最高位を更新する東前頭3枚目と躍進が期待される。

待望の新入幕は2人が果たした。幕下2場所、十両も連続12勝の2場所で通過し西前頭15枚目に番付を上げた大の里(23=二所ノ関)は、二所ノ関部屋からは現師匠(元横綱稀勢の里)が部屋を創設後としては初の幕内力士誕生だ。石川県出身では19年夏場所の炎鵬以来、戦後12人目の新入幕で、日体大からは19年春場所の友風以来、8人目。初土俵以来、所要4場所での新入幕は、昭和以降3位タイのスピード昇進となった(1位は遠藤と伯桜鵬の3場所)。

もう1人の新入幕は島津海(27=放駒)で、放駒部屋からは現師匠(元関脇玉乃島)の部屋継承後としては初の幕内力士誕生。鹿児島県出身では18年名古屋場所の明生以来、戦後25人目となった。再入幕は3人で琴勝峰(24=佐渡ケ嶽)は2場所ぶり、武将山(28=藤島)は3場所ぶり、碧山(37=春日野)は2場所ぶりの、それぞれ幕内復帰を果たした。

十両昇進は4人で、うれしい初めて関取の座をつかんだのは尊富士(24=伊勢ケ浜)と欧勝海(22=鳴戸)の2人。白鷹山(28=高田川)は2場所ぶり、栃武蔵(24=春日野)は5場所ぶりの十両復帰を果たした。

尊富士は、伊勢ケ浜部屋からは昨年春場所の熱海富士以来の新十両で、青森県出身では20年秋場所の錦富士以来、戦後66人目。日大からは先場所の日翔志に続き58人目で、初土俵から所要8場所での新十両は、7位タイのスピード昇進となった(1位は高鉄山、土佐豊、常幸龍、炎鵬の4人が6場所=58年以降初土俵で幕下、三段目付け出しは除く)。

欧勝海は、鳴戸部屋からは、昨年名古屋場所の欧勝馬以来で、石川県出身では、今年秋場所の大の里以来、戦後21人目の関取輩出となった。

なお、関取衆の改名は1人だけで、西十両6枚目の高橋(24=二所ノ関)は今場所から白熊(しろくま)に改名して臨む。

大相撲初場所は、来年1月12日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。14日の初日を迎える。