大相撲の元関脇でタレントの豊ノ島(40)が12月14日、都内のホールミクサでトークイベント「豊ノ島の部屋」の第4回を開催した。テーマは「観戦力が上がる!相撲中継を100倍楽しむ話」と題し、ゲストに元NHKアナウンサーの藤井康生さんと相撲中継や実況について深堀トークを繰り広げた。

立ち合いから藤井アナのぶちかましに会場が沸いた。「今日はこんなビッグイベントにお呼びいただきありがとうございます。みなさんお忙しい中、こんなにお集まりいただいて…。今日は私も忙しい中、やってまいりました。最後まで大相撲に関する話を楽しんでいただければ」と軽快なユーモアに客席からは笑いが。心地の良い美声、聞きなじみのあるテンポでよどみなく冒頭のあいさつを終えただけで、主導権を握った。

その後はすっかり藤井アナのペースでイベントが展開された。NHK入局後、相撲中継に携わるきっかけから貴乃花最後の優勝となった2001年5月の夏場所千秋楽の一番を実況した思い出。名コンビを組んだ北の富士さんとの中継秘話などを披露した。特に北の富士さんとの思い出では「北の富士さんは意外に落とされるのが好き。気持ちよく乗っていただくために、いろいろテクニックを使いました」と昭和の相撲では花道を下がる際にご祝儀を張り付けてもらった話などを繰り出すと、会場は爆笑。記憶に残るやり取りの裏側にあった駆け引きに、お客さんはうれしそうに聞き入った。

相撲中継の際に使った力士カードの解説では豊ノ島一言メモに「けいこ不足」の文字。けがの影響などもあったが「けいこしていたらどれだけすごい力士になっていたことか」と嘆く一幕もあった。有森裕子さんのインタビューの話などにも広がっていき、なんとオープニングトークだけで40分を超える展開となった。

本題に入ってからも藤井アナの勢いは止まらず。決まり手の判断についてや、相撲がもっと楽しくなるための観戦ポイントなどを深堀していった。

今回の企画の目玉として行われたのは生実況。権利の関係でお客さんには映像を見せることができないが、藤井アナと豊ノ島の2人が日本相撲協会のYouTubeの映像を見ながら、藤井アナが実況をつけた。テレビバージョンとラジオバージョンの2パターンを披露した。プロの妙技に会場は聞き入り、大きな拍手が巻き起こった。テレビは間を大事にしながら、ラジオは目の前で起こっていることを描写することに加えてリスナーの想像力を掻き立てる一言を入れるということを、ポイントとして挙げた。

その他、ここでしか聞けない裏話もたっぷり語り尽くし相撲ファンの「知りたい!」に応える内容となった。

この日はオンラインでも同時配信し、質問も募集。X(旧Twitter)で「#豊ノ島の部屋」をつけた投稿からピックアップして、質疑応答が進んでいった。

配信が約1時間10分で終了すると、会場のお客さん限定のさらに密度の濃い「質疑応答」へ突入。その後は豪華プレゼントが当たるじゃんけん大会が行われた。当初の予定時間を約40分以上オーバーする大盛り上がりの様相で第4回「豊ノ島の部屋」は終了した。最後は恒例となった1人1人のお客さんと2ショット撮影を行い、笑顔で見送った。

大好評の豊ノ島の部屋は第5回の開催が2月20日(火)に決定。ゲストには呼出・重夫さん(九重部屋)、床山・床秀(式秀部屋)のお二人を迎えて、他では聞けない密度の濃いトークを繰り広げる予定だ。