大相撲の大関豊昇龍(24=立浪)が12日、都内のホテルで大関昇進披露宴を行った。

日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)をはじめ多くの親方衆、横綱照ノ富士や霧島、貴景勝、琴ノ若の3大関をはじめ多くの現役力士が出席するなど、約850人が集まって盛大に開かれた。

冒頭で壇上に立った豊昇龍は「本日はたくさんの皆さん、来てくれて、本当にありがとうございます。大関として明日から、今までより激しく稽古して、もう一つ上を目指して頑張っていきますので、皆さん応援よろしくお願いします」とあいさつし、大きな拍手を浴びた。

大関には、初優勝した昨年7月の名古屋場所後に昇進した。それから約半年後のパーティー開催だっただけに「ずっと待っていました」と、この日を楽しみにしていた様子。両親をはじめ、出身のモンゴルから約20人を招待した。

叔父で元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏は、仕事の都合で来ることはできなかったが、同氏の両親であり、豊昇龍にとっては祖父のドルゴルスレンさん(78)、祖母のプルブバタムさん(74)は出席。18年春場所の観戦以来、約6年ぶりの来日だったという。

ドルゴルスレンさんは、孫の晴れ舞台に「とてもうれしい。こんなにすてきなパーティーを開いてもらい、来てくれた人に感謝しないといけない」と喜んだ。プルブバタムさんも喜びつつ「大相撲をもっと盛り上げて、みんなから愛される力士になってほしい」と、今後に期待した。

朝青龍との比較を問われると、ドルゴルスレンさんは「似ている。見ていると同じ」と、偉大な叔父と肩を並べる横綱への昇進を期待。プルブバタムさんが「動きや雰囲気、取組前の姿勢とか、どんどん似てきている」と、補足した。2人にとっては、朝青龍と豊昇龍が重なって見えるようだ。

ただ、この日のパーティーでは笑顔を振りまいた。開宴前から「これが豊昇龍。僕だよというのを見せたい。なんか土俵の上では怖い顔をしているけど、それ以外では『そんな顔してないよ』というのを見せたい(笑い)」と宣言していた通り、終始穏やかな雰囲気を漂わせていた。

1月の初場所は、優勝争いが佳境に入った14日目から、場所前に痛めていた右膝のけがを悪化させて休場した。14日目の横綱照ノ富士戦は不戦敗、千秋楽は関脇琴ノ若との取組が予想される中での休場。それだけに、この日は「休場はしたくなかったけど、痛みがけっこうあったので。3月場所までにしっかり治して、ファンの人たち、大相撲のお客さんたちに、かっこいい姿を見せて大関らしい取組をしていきたい」と力説。すでに10日から相撲を取る稽古を再開しているといい、2度目の優勝を視野に入れていた。