関脇大の里(24=二所ノ関)が無傷の11連勝で、ついに大関昇進目安へ“マジック1”とした。西前頭4枚目琴勝峰戦を押し出し。物言いがつく際どい勝負だったが、行司軍配通りで星を伸ばした。昇進を預かる審判部の高田川部長(元関脇安芸乃島)も「内容がいい」と、11連勝の内容を高く評価。まずは大関昇進の当確ランプを点灯させ、2度目の優勝に突き進む。

やられたら、やり返す。今場所、過去に悔しい黒星を喫した相手から、ことごとく借りを返してきた大の里。この日の琴勝峰には、昨年九州場所で初顔合わせの本割、決定戦と連敗し、十両優勝を逃す屈辱を味わわされていた。雪辱の思いの強さを示すように、下がることなく前に出続けた。右差し、左おっつけという得意の形となり、勢いに乗って前のめりに倒れ込んで物言い。それでも圧力をかけていたため、先に相手の右足が土俵を割っていた。

取組後、相手の足が先に出ていたことに気付いたか問われると「いや」と即答した。勝負の行方は不明でも、前に出る、自分の相撲を取るという、常に心掛けていることはできた。思い返せば琴勝峰には、昨年九州場所本割で攻め続けたが「攻め急いだ。もったいない」と、初顔合わせで敗れた。同場所の十両優勝決定戦でも、攻めながら逆転され「負けたことがすごく悔しい」と本音を漏らしていた。それから10カ月。気持ちに比例して前のめりの相撲となっても、取りこぼさず、対戦成績は2勝2敗。成長の跡を見せつけた。

高田川審判部長も「一気に前に出て、いい相撲。全然危なくない。力でねじ伏せている」と、際どい勝負も内容は圧倒していると補足した。11日間の戦いぶりも「内容がいい。このままいってほしい」と、大関昇進には障害がないとばかりに、注文を付けなかった。

苦しんだ先場所で喫した6敗のうち、今場所は4人と対戦して全て雪辱した。さかのぼって、十両優勝をさらわれた琴勝峰も撃破。「三役で3場所33勝」の大関昇進目安に、あと1勝と迫った。それでも「気にしてない。1日1日、残り4番に集中したい」と、自らに言い聞かせるように話した。全勝優勝を目指した先に大関昇進がついてくると知っている。【高田文太】

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