西前頭14枚目の金峰山が敗れ、優勝争いは混沌(こんとん)としてきた。
大関豊昇龍が優勝と綱とりの可能性をつないだ。単独トップの金峰山との直接対決。「右から攻めようと思った」という豊昇龍はうまく右から腕をたぐって、最後ははたき込んだ。
優勝を争う単独トップを引きずり下ろし、1差に迫った。「(優勝争いは)意識してないよ」といいながら可能性を残した。綱とりがかかる今場所、8日目、9日目と連敗した相撲に「情けなかったね」と振り返る。明らかに硬くなっていた相撲を見た師匠の立浪親方(元小結旭豊)から「楽しんでやれ」と声をかけられて開き直ったという。
「1日一番をしっかりやろうと思っている。親方にも『楽しんでやれ』と言われているんで、何も考えずに残りの相撲を頑張るだけ。いい感じできていると思う」。追われるより追う立場。終盤戦が楽しみになったとの声に「ええ!? やってる方は大変なんだけどな」。そんな軽口も精神的に余裕が生まれてこそ。逆転優勝、そして悲願の綱とりの夢をあきらめない。【実藤健一】

