優勝の重みを熟知する小結高安(35=田子ノ浦)が壁になった。

取組前まで1敗だった前頭一山本を、単独トップから引きずり降ろした。立ち合いから、あえて相手得意の突っ張りの応酬。優勝の重みを知らしめるように、重みのある突っ張りを的確に当てて後退させた。食らいついてきた相手に、流れで右を差し、下手投げでひっくり返した。

「立ち合いで押し込めたのがよかった。何度か引かせたので、それで流れをつくることができた」と、うなずいた。相手の土俵とも言える突き、押しの展開に持ち込んだ理由についても「ペースを握りたかったので」と、1発1発の重みで勝る分、優位になると踏んでいた。相手を単独先頭から陥落させたことには「イキのいい相手だったので後手に回ると苦しい。思った通りの相撲を取れた」と、してやったりの表情だ。

これで3敗を守って勝ち越しを決めた。「三役で久々に勝ち越しなのでうれしい」と、関脇で10勝した21年夏場所以来、4年ぶりに三役での勝ち越しをかみしめた。これまで8度、千秋楽で初優勝を逃してきた。「あと4日間ある。今日みたいな気持ちで明日も臨みたい」。先を見据えすぎず1歩ずつ-。悲願の初優勝の思いは胸にしまい、足元を見つめた。【高田文太】

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