[ 2014年6月26日7時58分

 紙面から ]前半ロスタイム、ヘディングで同点ゴールを決める岡崎(左)(撮影・松本俊)<W杯:日本1-4コロンビア>◇1次リーグC組◇24日◇クイアバ

 希望の一撃になった、はずだった。日本代表FW岡崎慎司(28=マインツ)が決めた、一時同点となるゴールは前半終了間際。カウンターから右サイドでボールを持った本田のクロスを待っていた。ニアサイドで、ゴールに並行するように合わせたダイビングヘッド。「自分の中で選択肢を減らして後ろへ下りるのをやめて、裏をとことん狙おうと思った」。そう、吹っ切れたのは、失点がきっかけだった。

 前半15分、中盤でボールを受けてつぶされた。そのままカウンターを受けて今野のファウルでPK献上。先制点のきっかけをつくった。その直後から始まった裏への突進を繰り返し、それが実った。「失点の責任が半分くらいあった。1回取り返して、チームとしてよかったんだけど」。再び勝ち越され日本に与えた希望は、長くは続かなかった。それでも本田に続いて日本史上2人目となる2大会連続ゴールを刻んだ。だが、そんなゴールを決めてもチームの敗退に悔しさばかりが口を突く。

 「今はどうやったらこの場所で勝てたのか、引きずっている。勝っていれば、決勝トーナメントに行けていたという未練がある。悔しい。ただ、4年間やってきたことを打ちひしがれた。ここまで結果、内容で完敗するとは思っていなかった」

 座右の銘は「一生ダイビングヘッド」。28歳で迎えたW杯で、その通り決めた。4年後について「今はまだ考えられない」と言ったが、かねて本紙の取材に言っていた。「やれるまでやりたい。選ばれるまで選ばれたい。30歳過ぎたら、経験値勝負になる」。今季ブンデスで15得点。このゴールで代表歴代3位記録を通算39得点に更新した。実は、あと10年海外でやることを目標に、体を日々鍛え上げている。やってきたことは間違っていない。日本の9番は、岡崎慎司しかいない。【栗田成芳】