[ 2014年7月3日8時18分

 紙面から ]延長前半に2点を奪われた米国GKハワード(撮影・狩俣裕三)<W杯:ベルギー2-1米国>◇決勝トーナメント1回戦◇1日◇サルバドル

 米国が大きな可能性を残して大会を去った。02年大会以来の8強入りは逃したが、元ドイツ代表FWのクリンスマン監督は「力以上を出してくれた選手を誇りに思う」と胸を張った。16セーブを記録し、敗れながらもマン・オブ・ザ・マッチに選出されたGKティム・ハワード(35=エバートン)は「負けたのは残念だけれど、ベルギーは素晴らしいチーム。力は出し尽くした」とコメントした。

 延長前半に2失点したものの、同後半には途中出場した19歳のMFグリーンが反撃ゴール。20歳のDFイエドリンも、右サイドを攻守に駆け回った。ベテランが多いチームの中で、若手が輝きを放った。11年に就任した指揮官は18年ロシア大会への意欲を見せ「この経験を、今後に生かしてほしい」と話した。

 スタンドには「U・S・A」コールが響いた。オバマ大統領も熱中するなど米国内のテレビ視聴者数は、1次リーグのポルトガル戦で約2500万人とサッカー番組での過去最多を記録。かつて「サッカー不毛の地」と呼ばれた米国が快進撃で盛り上がった。同監督は試合後、ロッカールームで「たくさんの成果を、持ち帰れる」と選手たちに言った。クリンスマン監督と米国サッカーの挑戦は、まだまだ続く。