一方、大和田は、デビューわずか1年の14歳時に、連続ドラマの主演に大抜てきされるなど、エリート街道を歩んでいきました。ただ、本人の心の成長は、なかなかそのスピードに追いつけませんでした。少し伸び悩み始めた昨年夏。先輩の西野とともに、深夜のゲームセンターで男友だちと遊んだところを写真に撮られ、それが週刊文春のネット記事で報じられたことで、やむなくグループの最前線から退くこととなりました。

 AKBは、10代の女子を預かるグループですから、日々のコンサートなどでも、未成年の労働時間厳守は徹底しています。たとえば、総選挙などのビッグイベントでも、午後9時前には、必ず中学生以下のメンバーをステージから下ろさせます。国民的アイドルグループとして、法律だけは絶対に守らなければならない使命があります。よって、大和田と西野が、ゲームセンターのあった地域の青少年健全育成条例の違反に当たる行動は、ある意味、有名な恋愛禁止ルールよりも重い事態だったのかもしれません。

 AKBの運営は、何かの処罰をしたとは明言をしていませんし、あくまで2人とも「新しい道に踏み出すため」と卒業理由を語りました。ただ、西野の卒業公演の寸劇の中では、ブラックジョークとしてAKBの運営スタッフから怒られていた事実を明かしました。

 たかが夜遊び、たかがデートでしたが、責任ある立場だっただけに、その失敗は簡単に取り返せるものではありませんでした。

 ただし、まだまだ2人は17歳。大和田は、かわいいルックスで人気でした。別のアイドルとしてなのか、女優としてなのか分かりませんが、再びスポットライトを浴びるチャンスは、きっとどこかにあるはずです。

 西野は、グループいちのオーバーリアクションが持ち味で、バラエティー才能にあふれたユーモアなメンバーでした。本人は「『世界の果てまでイッテQ!』のレギュラーになって、イモトさんのように活躍するのが夢」と言っています。個人的には、イモトに負けないおもしろいリアクションができると思っています。ツボにハマったら、彼女の才能を生かすプロデューサーなどに出会えたら、必ずやタレントとして花を咲かせると思っています。

 いつどこで逆転ホームランが出るかは、誰にも分かりませんし、誰にでも可能性があるのです。そう、中村のように。