瀬戸内7県を拠点に活動するSTU48が海の日の16日、大阪・松下IMPホールで出張公演ツアー初日を行った。

 この日は発売延期が発表された2枚目シングルの選抜のうち、AKB48兼任の岡田奈々(20)を除く15人と、新谷野々花(13)の16人が出演した。グレーのワンピース衣装で、デビューシングル「暗闇」からスタート。序盤はSKE48の「Darkness」、NGT48の「暗闇求む」など、暗闇をテーマにした楽曲を披露した。

 瀬戸内を飛び出してのツアーは、単独コンサートを除けば、昨年3月の結成以来初めて。夜公演では、地元大阪出身の薮下楓(17)が「瀬戸内海を飛び出し、これから大阪、新潟、東京、名古屋と回っていきます!」と元気に宣言した。ところが、「大阪にはない、瀬戸内のいいところは?」というテーマトークでは、どちらの良さも知るだけに、複雑な心境のようだった。「こういうお題が1番苦手。挟まれるんですよ。お好み焼きの話もそうやし…」と本音をポロリ。それでも、「どこに行っても観光名所で、写真を撮ったら映(ば)える」と、瀬戸内に来て初めて知ったおすすめポイントを明かした。

 「いつかSTU48でかなえたい夢」について語り合う中盤のトークでは、初選抜の研究生コンビがぶっ飛んだ夢を明かし、存在感を見せた。沖侑果(18)は「宇宙船の劇場で公演をやりたい」と発言。理由を聞かれると、「最近、宇宙が怖くて…」と、かみ合わない回答でファンをぽかんとさせた。甲斐心愛(14)が「大谷満理奈ちゃんと市岡愛弓ちゃんが宇宙人と交信できるから、不可能じゃないよ」とフォローし、微妙な雰囲気が解消されたかに見えたが、沖と同期の中村舞(19)が「握手会じゃなくて、足と足同士で『握足会』をやりたい。まだアイドルがやったことがないと思います。見た目がおもしろそう」と珍発言で続き、場内が再び妙な空気に包まれた。

 セットリストは、6月まで行っていた瀬戸内7県陸上公演ツアーから、オリジナル楽曲を残しつつ、曲順を替えたり、「AKB参上!」のSTU48版や、NMB48の「Don’t look back!」など新しい曲にも挑戦した。アンコールではボーダーポロシャツ姿で、乃木坂46の「夏のFree&Easy」やNMB48の「ナギイチ」など、夏ソングで季節感を盛り込んだ。

 新公演までわずか2週間でのセットリスト変更だった。15日の握手会の合間にも、メンバーで集まって練習をしてきたという。瀧野由美子(20)は「新しい曲も多くて、不安は大きかったですけど、皆さんが不安を打ち消すくらいの声援をくださって、本当に本当に楽しい1日になりました」と感謝した。最後は、グループ初のオリジナル楽曲「瀬戸内の声」を客席のファンと合唱。薮下と石田千穂(16)が「大阪、大好き~!」と叫ぶと、客席から歓声が起こっていた。