SKE48松井珠理奈(23)の卒業記念シングル「恋落ちフラグ」が、3日に発売された。08年に11歳でデビューした大黒柱の集大成となる作品には、グループ68人全員が参加。このほど、須田亜香里(28)、10期研究生で最年少の林美澪(11)の2人を交え、記念曲への思いやSKEの未来について語った。【聞き手=大友陽平】

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-「恋落ちフラグ」はどんな曲?

珠理奈 いい意味で卒業感とかもなくて、普段のSKE48の恋愛ソングです。全員で歌って踊れるということで、SKEらしくできるのは良かったと思います。私は卒業するんですけど、これで終わるのではなくて、ここからスタートするという思いが伝わる楽曲になっていると思います。

-ミュージックビデオ(MV)はダンスシーン中心でSKEらしさが出ている

須田 勝手に、もっとしんみりというか、思い出がよみがえるような感じを想像していたんですけど、「好き!」って思える、ワクワクする曲です。おじゅりちゃんの背中を見ながら、全員で披露したらどんなことになるんだろうって…。楽しみです。

林 10期生はMV撮影が初めてで、緊張しました。みんなでたくさん練習して、本番では発揮できたかなと思います。

須田 私はレッスンに途中から入ったんですけど、10期の成長がすごい! って周りから聞いていて、みんなもりもり踊れていて、1日での成長具合がすごいんだなって。

林 10期のみんなにも伝えておきます(照れ笑い)

-地元のバンテリンドームナゴヤでの撮影も

珠理奈 SKEでは一度、単独ライブ(14年)をやらせていただきましたが、その時のメンバーの方が少ないので、今のメンバーで立ちたいなと。

須田 浅井裕華ちゃんとか、実際その時はお客さんで来ていて、今メンバーになっている子も多いんです。

林 私はキッズダンサーの時にあるアーティストさんのサポートメンバーとして立ったことはあるんですけど…。見る景色が違いました!

珠理奈 MVではありましたけど、みんなでいけたのはうれしかったです。なかなか芝生の上で踊ることはないですし、野球好きなメンバーは特にテンション上がってましたね(笑い)

-卒業ソング「Memories~いつの日か会えるまで~」はソロで歌い、作詞もした

珠理奈 この曲は応援してくださった方々に「卒業してしまうのか」と、しんみりしてもらえたらいいかなと思って作詞しました。例えばAメロの「無邪気に登ったあの階段」は「大声ダイヤモンド」のMVのシーンのことだったり、ポイント、ポイントで「ああ、このことを言ってるんだろうな」というのが、ファンの方なら分かってもらえる部分があると思います。これまで作詞した時は、書けるタイミングで…という感じだったんですけど、今回はテーマとか期限もあったので、初めて秋元先生の気持ちが分かりました(笑い)。

須田 おじゅりちゃんの歌詞は、いつもかっこいいんです。表現の仕方とか見せ方もその日によっても違うし、“魅せる”ために試行錯誤しているのを今まで見てきているので、楽しみです!

-自らが参加しプロデュースもしたユニット「Black Pearl」の「Change Your World」も収録される

珠理奈 曲、振り付け、衣装、メークなどほとんど携わらせてもらいました。普段のスタッフさんの大変さを感じて、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

-Black Pearlに参加して

林 本当に1人1人の個性を引き出していただいて…。

珠理奈 リップシーンは、まだ硬かったね(笑い)。気付いたら監督みたいになって指導してました(笑い)。

林 珠理奈さんに、表情の付け方とか角度を教えていただいて…。今後も生かしていきたいと思います!

須田 12年で学んだことを全部教えてもらって…いいなあ! うらやましい!!

珠理奈 でも硬くても、ある意味いいのかなとも思いました。何年かたって成長も感じてもらえるかもしれないですから。あえてあどけない、小学生らしさも出ていいのかなと。でも急にスイッチ入って、すごく大人っぽい表情もしてますよ。かっこいいんです!

-自らも11歳でデビューした。かつての自分と重なるか?

珠理奈 「大声ダイヤモンド」のMVは、今見ても表情が硬くて、今だったらこうするのになとか思いますよ(苦笑い)。ダンスも思いっきり踊っているんですけど、丁寧さにはやっぱり欠けているなと…。美澪ちゃんのダンスは、私の当時の踊り方に似ているんです。ヒップホップを習ってきていたりするのも共通していて、かわいく踊れなくて、アイドルっぽい曲が逆に難しいんだよね。

林 そうなんです!

-卒業する時に、自身と同じようなメンバーが入ってくるのも運命だ

珠理奈 どんどん新しい子が増えて、自分が入った時と同じ年齢の子もいて、みんなの成長をもっと見ていたいとは思いますし、前にいる先輩たちを追い抜いていく後輩達も見たいです。卒業したら近くにいることは少なくなってしまいますが、1期生としてずっと見守っていきたいですし、SKEとはずっと関わっていきたいと思っています。

-グループから大黒柱が抜ける

須田 メンバーにとっても、SKEを何となく知ってくださっている方にも、誰も見たことがないSKEになると思うんです。不安はもちろんありますけど、誰も見たことがないものを自分たちが作れることをモチベーションにしていきたいと思います。1期生の皆さんが、道がなかったところで、「SKEってこれだよね」と言われるところまで引っ張ってくれたように、プラスアルファを生み出していきたいです。卒業するまでは、おじゅりちゃんからしか学べないことを1つでも多く吸収したいという気持ちが強いですし、一緒にいる今を長く感じていたいと思っています。

-卒業までに伝えたいことは?

珠理奈 デビューからずっとセンターをやらせていただきました。「次は誰なのか?」と気にしてくださる方もいらっしゃると思います。誰じゃなきゃいけないという正解はないですし、入ったばかりだからやってはいけないということでもないと思いますし、みんなでセンターの奪い合いをしてほしいです。SKEのファンの方は、自分の推しメンじゃなくても、目の前の人を応援してくださる方ばかりです。メンバーもファンの皆さんも、一緒に新しいSKEを作っていってほしいです。だから、口々にやりたいと言った方がいいと思います。それくらいバチバチやってくれるくらいが、盛り上がると思います。

須田 やりたいと言うことで、行動や自覚も変わってきそう。言ったからには最低限やらないといけないので、真に受けていきたいです。

林 10期だから…ではなくて、センターは誰が立ってもおかしくないと思うので、頑張りたいと思います!

珠理奈 すごい! いいじゃん!!

-こちらから振る前に答えてくれました。では最後にメッセージを

林 シングルに初参加になりますが、珠理奈さんの卒業ということで、珠理奈さんを笑顔で送りたいと思ってたくさん練習して臨んだので、ぜひたくさん見て、聞いてください!

須田 今回のシングルは全員参加で、カップリングも含めておじゅりちゃんのこだわりとか、12年間の集大成だと思いますし、それをメンバーに継承してくれる大事なシングルです。楽しんでほしいですし、ここから受け継いでいく私たちがどんな風になっていくのかも予想しながら見てもらえるとうれしいです。

珠理奈 「恋落ちフラグ」はSKEらしさ、卒業ソングはファンの皆さんに、Black Pearlはメンバーへのメッセージになっていて、今まで12年間やってきた全てが詰まっていると思います。最後の1期生として、今までも自分の思いとかを伝えてきたつもりなんですけど、最後に形として残せることはすごく幸せなことだと思います。それを多くの方に、少しでもSKEと関わってくださった人全員に届いたらいいなと思います。