HKT48森保まどか(23)が29日、福岡・北九州ソレイユホールで卒業コンサートを行った。

自身のピアノ演奏でスタートさせると、IZ*ONEの専任活動から復帰した同期で同学年の宮脇咲良(23)とは「友達でいられるなら」を、盟友「なつまどコンビ」の松岡菜摘(24)とは「てもでもの涙」をデュエットした。

中盤ではショパンの「幻想即興曲」をはじめ、17年の選抜総選挙で「アンダーガールズ」にランクインした際の楽曲「だらしない愛し方」では、さらにピアノも交えた。本編の最後は、AKB48のシングル初選抜曲の「希望的リフレイン」。自身でセットリストや演出などにも携わったといい「思い出の曲を中心にしました」と、アイドル活動の軌跡をたどる構成で魅了した。

アンコールでは、紫を基調としたドレス姿で卒業ソング「この道」を歌うと、メンバーやスタッフ、家族、ファンに感謝の思いを伝えた。

森保 今日で10年続けたアイドル生活が終わるなんて信じられないし、今後のことも想像できません。

まずメンバー、HKT48をつくってくれてありがとう。私は注意したり、そういうことは同期にやらせてしまったと反省しているし、こんなに頼りない先輩なのに受け入れてくれて優しいなって。みんなは本当に明るくて、家族みたい。私は明るさとかキャピキャピを求められすぎてつらかった時期もありました。これからもなれ合いではなくて、仲良しのグループであってほしいと思います。昨日の夜、なっちゃん(松岡菜摘)からLINEがあって、もっと話せば良かったなって。10年一緒にいてそう思うくらいだから、みんなはネタが尽きるくらい話して、楽しく過ごしてくださいね。学校とも部活動とも縁遠かったけど、ここが青春で良かったと思います。今までもこれからも、HKT48が1番かわいくて、1番輝いているグループだよ。

スタッフの皆さん、いつも私達を彩っていただいてありがとうございます。アイドルの三種の神器と呼ばれる「マイク、メーク、衣装」。皆さんのおかげで成り立っています。芸歴こそ長いけど、社会人経験はありません。最初にしかって、最後まで注意してあげてください。見放さないでいてもらえるのは、メンバーにとっても救いです。関わってくれているスタッフの皆さんが1人でも欠けていたら、私はここに立っていません。これからもグループを導いてください。

それからお父さん、お母さん。照れくさいけど…卒業式ということなので…。ダイエット中は特にシビアになる私に、いつも温かいものを用意してくれてありがとう。何回もモーニングコールしてくれてありがとう。2人の娘でよかったです。

そして何より、ファンの皆さん。ロリでもないし、身長も高いし、性格もきつくみられがちで…アイドル適性はないと自分でも思うのですが、見つけて応援してくださってありがとうございます。ファンの皆さんがいたからこそ、続けられました。アイドルファンってすごいなって思います。私は2次元とかしか好きになったことがないから、イメージとの違いとか、見た目の変化とか言動に落ち込むことはないんですけど、ファンの皆さんは生身の人間である私を応援してくださる…。これって、相当すごいことだと思います。私推しだった意味とか、もしあったら忘れないでくれたらうれしいと思います。

西武ドーム(当時)でお披露目して、日本武道館で初めてライブをして、AKB48さんのドームツアーに参加したり、NHK紅白歌合戦にもHKT48として出場したり、「ミュージックステーション」をはじめ、数々の音楽番組に出演させていただいたり、お仕事で海外にもたくさん生かせていただきました。今考えると輝かしい思い出がたくさんあります。

このメンバー、スタッフさん、ファンの皆さんだったからこそ10年続けられました。たくさんのめぐり会い、出会いに感謝したいと思います。目に見えない絆、愛って本当にあるんだなって、信じさせてくれてありがとうございます。今日は完全燃焼できました。

最後に歌唱したのは「あなたがいてくれたから」。同期や後輩は涙。森保も目を潤ませて、「10年分の集大成をお見せできて、本当にうれしい時間でした。今日は本当にありがとうございました」と話し、約10年のアイドル人生の幕を下ろした。

◆森保(もりやす)まどか 1997年(平9)7月26日、長崎県生まれ。11年11月にHKT48の1期生として劇場デビュー。中学生時に全国大会9位の実績を持つピアノが特技で、15年にはフジテレビ系「芸能界特技王決定戦 TEPPEN」のピアノ部門で優勝。20年1月に、松任谷正隆総合プロデュースによるピアノアルバム「私の中の私」でソロデビュー。選抜総選挙は第4回から外→外→25→43→50→31→不参加。アニメ「名探偵コナン」シリーズの大ファン。165センチ。血液型A。