<第6回AKB48選抜総選挙>◇7日◇味の素スタジアム

 「第6回AKB48選抜総選挙」開票イベントは、先月25日に岩手・滝沢市で起きたAKB48握手会の襲撃事件を受けて、入場時に金属探知機などによるチェックが実施されるなど厳重な警備態勢の中でイベントが行われた。

 スタジアムに入場する全6ゲートで、金属探知機の音が鳴った。各ゲートには警備員がずらりと並んだ。最初に荷物検査エリアがあり、さらに通り抜けたところに金属探知機エリアが設けられる2段階方式が敷かれた。計122台のハンディータイプの金属探知機が設けられ、手荷物検査を行うスタッフは106人におよんだ。取材陣などの関係者やスタッフも全員、検査を受ける徹底ぶりだった。

 警視庁調布署によると、先月27日に主催者のAKSサイドと協議を行い、金属探知機を使用した手荷物検査の実施など、警備の強化を図ることで合意した。調布署幹部は「普段のサッカーの試合では10人程度だが、手荷物検査などで警備員に協力するため、警察官を40~50人に増やした」と話した。主催者側は開場時間を予定より1時間早い午前11時半に繰り上げる対策を講じたが、観客7万人をチェックしていく作業は予想以上に時間がかかり、結局イベントは45分遅れの午後3時15分にスタートした。

 開演間際まで待機列に並んでいた千葉県の男子高生(15)は「厳重な検査はテロ防止に有効だと思う。ただスタッフはもっと必要だったと思います」。神奈川県座間市の主婦(49)は「信じられないのかなという思いもあるが、模倣犯も気になりますから仕方ないですね」と話した。

 イベントが始まると、48グループ総監督の高橋みなみ(23)は「先日の事件では、大変なご心配をかけました。入場には金属探知機を導入しましたが、皆さんにご協力いただきました。皆さんの声が力になっています」と感謝の気持ちをファンに伝えた。

 ◆握手会襲撃事件

 5月25日に岩手県滝沢市で行われた全国握手会で、川栄と入山が、のこぎりを持った無職梅田悟容疑者(24)に握手レーンで襲われた。2人は手の骨折など重傷。男は殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。止めに入った男性スタッフを含む3人は、盛岡市内の病院に救急搬送されて入院。川栄と入山は手術を受けた。2人は翌26日に退院して帰京。AKB48は劇場公演を中止。ほかのグループも金属探知機を使った厳重警備の中で公演を行った。各グループの握手会は延期となっている。