乃木坂46が21日、パシフィコ横浜で8枚目シングル「気づいたら片想い」発売記念握手会イベントを行い、無事終了した。先月25日のAKB48メンバー襲撃事件以来、AKB48関連グループの握手会開催は初。ファンやメンバーは握手会に対する熱い思いを語った。

 握手会会場を訪れたファンたちによると、20歳の誕生日を27日に控える若月佑美は、ファンからの祝福を受け、こうスピーチしたという。

 「みなさんには、たくさんのご協力をしていただいています。こういう(厳重警備の)状況で、初めはメンバーとの距離を感じてしまうかもしれません。でも、メンバーのみんなは、ファンのみなさんと話すことをすごく楽しみにしています。心の距離は、まったく変わっていません!

 安心してください」

 気持ちのこもった訴えに、会場は歓声と温かい拍手で包まれたという。

 先月25日の襲撃事件を受け現在、AKB48やSKE48など姉妹グループの握手会は再開の見込みがたっていない。そうした中、乃木坂46は予定通りの日程で握手会を開催し先陣を切った形だ。この日はかつてない厳戒態勢が敷かれた。事前に発表された通り警備員を増員。入場時の手荷物検査、金属探知機による検査を導入し、握手の際には手荷物を預けることを徹底。メンバーは数十センチの台に乗り、ファンとは柵越しに握手した。大きい荷物を持ったファンに対しては、有料でクロークを貸し出した。

 静岡県から訪れた男性ファン(22)は「遠征組なので、まずは予定通り握手会があったのがうれしい。僕らも協力できることは協力していきたいです」とほっとした表情。元AKB48大島優子のファン第一人者で、グループ初期から8年間握手会に通っているというJINさん(38)は「荷物検査で想像以上に時間がかかってしまっていた」と課題を指摘した。その上で「厳戒態勢は仕方ないと思います。今日は最初だから、物々しい雰囲気でメンバーの方も緊張している様子だった。回数を重ねるごとに、以前の和やかな雰囲気に戻ってくれればいいと思う」と話した。【横山慧】<襲撃事件後の経緯>

 ▼5月25日

 岩手県の握手会で無職梅田悟容疑者(24)がAKB48川栄李奈(19)入山杏奈(18)とスタッフ男性をのこぎりで襲って負傷させ殺人未遂容疑で現行犯逮捕。3人は入院。

 ▼26日

 川栄、入山が退院。AKB48劇場公演の中止が発表された。

 ▼30日

 東京・赤坂ACTシアターで乃木坂46の舞台「16人のプリンシパル

 trois」スタート。荷物検査など警備強化。

 ▼6月2日

 AKB48劇場での公演を再開。

 ▼4日

 AKB48が、6月の握手会や写真撮影会を全て延期すると発表。

 ▼7日

 東京・味の素スタジアムで、AKB48総選挙開票イベント開催。16位の川栄が事件後初登場。