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第11回ドラマグランプリ 助演女優賞

香椎由宇 原作‘守る’髪きり30センチ

トロフィーを手に笑顔の香椎由宇(撮影・橘信男)
トロフィーを手に笑顔の香椎由宇(撮影・橘信男)

 第11回「日刊スポーツ・ドラマグランプリ」の助演女優賞は、日本テレビ系「有閑倶楽部」に出演した女優の香椎由宇(21)が受賞した。「有閑-」は人気の少女コミックが原作。漫画が好きだからこそ、ドラマ化で原作のイメージを壊したくないという香椎は、出演依頼を受けるかどうか悩んだという。「やるからには原作に忠実にやりたい」。そんな思いから、伸ばしていた髪をばっさりと約30センチ切って収録に臨んだ。

 香椎は今も漫画喫茶に通うほど漫画が好き。だから、漫画が原作のドラマや映画の出演は、依頼があっても簡単には引き受ける気にはなれないという。「有閑-」の出演の話があったころの心境を、こんなふうに打ち明けた。

 香椎「それぞれが持っているイメージってあるじゃないですか。(漫画が)アニメになるだけでも声が違ったりしてちょっとしたショックを受けるのに生身の人がやると一致しない部分が、もっと大きくなる。なので、なぜ漫画原作をこんなにいっぱいやらないといけないんだろう、という気持ちが正直ありました。どうにかして逃げられないかな、と思ったんです」。

 香椎いわく「スケールが大きく、すごくおもしろい」という原作のドラマだけにずいぶん悩んだが、制作サイドからだけでなく、原作者の一条氏からも熱望され、出演を決意した。演じたのは“やまとなでしこ”という設定の女子高生だ。

 香椎「やっぱり、やるからには原作に忠実にやりたい、と。漫画が好きな側としては、できるだけそこに近づけたい、という気持ちがありました」。

 立ち居振る舞いや言葉づかいはもちろん、演技以外のところまで細かくこだわった。おかっぱ頭にしようと、胸まで伸びていた髪を、あごのあたりまで約30センチばっさり切った。原作のイメージから「毒々しさを出したい」と、着物の帯留めにクモのブローチを置いたり、ブーツのチャックをトカゲのような形にしたりと、画面に映るか分からないようなところまで、自ら制作スタッフにお願いした。

 そんな真摯(しんし)な姿勢や彼女の持つ存在感が、視聴者の印象に強く残ったのだろう。圧倒的な支持で助演女優賞を獲得。「見てくださった方とつながることって、なかなかないので、みなさんから投票していただいたっていうのは素直に喜べます」と話した。

 これまでの役のイメージや顔立ちから、演じた女子高生のような“やまとなでしこ”とみられがちだが、趣味はバイクいじりで「性格はどっちかっていうと男の子に近いと思います」。「有閑-」の登場人物なら“元気バクハツ痛快娘”と紹介されていた女子高生に近いという。

 「有閑-」の最終回放送後の昨年末、俳優オダギリジョー(32)と結婚することを発表したが「今までとまったく変わってないです」とさらり。「女子高生はもういい。今度はバイクに乗れる役がやりたいですね」と、笑みを浮かべた。【桐越聡】

 ◆プロフィル  香椎由宇(かしい・ゆう)1987年(昭62)2月16日、神奈川県生まれ。小学時代をシンガポールで過ごす。01年にファッション雑誌「mc Sister」でモデルデビュー。映画「ローレライ」(05年)「デスノート」(06年)に出演するなど女優として活躍。趣味はバイクいじりや写真、ドライブ、散歩など。中型自動二輪や小型船舶2級の免許を持つ。現在都内の大学の4年生。身長164センチ。今年の誕生日、都内の区役所にオダギリジョーとの婚姻届を出した。

 ◆選考経過  香椎が圧倒的な女性の支持を受けて圧勝した。男性の支持は「鹿男あをによし」の綾瀬はるか、「ガリレオ」の柴咲コウ、「薔薇のない花屋」の竹内結子らに続く6位だが、女性の支持は2位の「プロポーズ大作戦」の栄倉奈々に約1000点差の1位。世代別の支持は10代は香椎と栄倉が同点のトップ。20~50代の各世代は香椎、60代以上は「ジョシデカ! 女子刑事」の片平なぎさがトップだった。

 ◆対象作品   日本テレビ系で昨年10~12月まで放送された。累計2500万部以上を売り上げた一条ゆかり氏の同名人気コミックが原作。超セレブ名門高校を舞台に警視総監の息子や大病院の息子ら個性あふれる生徒会のメンバー6人が、さまざまな事件を解決していくコメディー。香椎は日本画の大家を父に持ち、茶道家元を母に持つ男嫌いの白鹿野梨子(はくしか・のりこ)を演じた。

助演女優賞 投票結果

俳優名 作品名 得点 男性 女性 10代 20代 30代 40代 50代 60代
(1) 香椎由宇 有閑倶楽部 2630 131 2499 321 1267 505 439 85 13
(2) 栄倉奈々 プロポーズ大作戦 1769 172 1597 321 758 299 318 63 10
(3) 綾瀬はるか 鹿男あをによし 1706 384 1322 319 565 414 334 67 7
(4) 柴咲コウ ガリレオ 1425 221 1204 224 495 349 288 64 5
(5) 竹内結子 薔薇のない花屋 1262 195 1067 169 529 319 188 52 5
(6) 多部未華子 山田太郎ものがたり 1050 111 939 254 376 201 181 33 5
(7) 大後寿々花 セクシーボイスアンドロボ 882 133 749 177 301 249 131 24 0
(8) 真木よう子 SP 764 97 667 123 216 232 154 37 2
(9) 福田沙紀 ライフ 729 107 622 183 281 174 79 10 2
(10) 堀北真希 生徒諸君! 664 102 562 111 423 64 44 14 8
(11) 内田有紀 バンビ~ノ! 615 63 552 78 228 141 123 41 4
(12) 八木優希 薔薇のない花屋 604 41 563 83 208 177 99 33 4
(13) 麻生久美子 帰ってきた時効警察 560 88 472 35 168 187 116 45 9
(14) 小雪 佐々木夫妻の仁義なき戦い 512 52 460 44 123 143 162 35 5
(15) 和久井映見 ちりとてちん 486 67 419 16 101 167 131 61 10
(16) 志田未来 探偵学園Q 460 51 409 92 253 50 57 8 0
(17) 紺野まひる 花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス 416 55 361 68 140 134 67 6 1
(18) 国仲涼子 ホタルノヒカリ 404 55 349 21 134 108 103 33 5
(19) 相武紗季 歌姫 393 92 301 42 87 113 100 48 3
(20) 片平なぎさ ジョシデカ! -女子刑事- 296 25 271 7 32 60 98 78 21

【注】テレビ局のN=NHK、日=日本テレビ系、T=TBS系、フ=フジテレビ系、朝=テレビ朝日系

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