13日に南フランスで開幕した第78回カンヌ国際映画祭で、開幕直前にドレスコードが変更されたことが波紋を広げています。12日間にわたって繰り広げられるカンヌ国際映画祭は、毎年豪華な衣装に身を包んだセレブたちがレッドカーペットに続く大階段に集うことで知られ、ファッションも話題の一つとなっています。
そんなカンヌで今年、品位を保つためにネイキッドドレスなど「全裸に近い装い」とロングトレーンなど「通行の妨げになるほどボリュームのある衣装」を禁止することが発表され、予定していたドレスの変更を余儀なくされたり、ドレスコードを無視するスターたちも現れるなど、混乱ぶりが伝えられています。
審査員を務めるハル・ベリーは、オープニングで着用を予定していたドレスのトレーンが長すぎることから急遽新たなドレスに変更を余儀なくされた一人。一方で、初日にさっそくドレスコードを無視した装いを披露したのが、モデルのハイディ・クルムと中国人女優ワン・チェンフイでした。クルムは、大きなトレーンが特徴の花びらを模したピンクの花柄ドレスを着用してレッドカーペットを彩りました。また、チャンフイもスカートの長さが2メートルにも達するボリュームたっぷりの白いチュールドレスを着用し、ドレスコード違反だと話題を呼びました。
「シースルー」を禁止するドレスコードを厳守しながらも大胆な肌見せでヌード禁止を揶揄(やゆ)するかのようなファッションを披露したモデルもいます。ベラ・ハディッドは、太ももまでスリットの入ったサンローランのドレスで、脇腹と背中を大胆に披露して視線を釘付けにし、「ヌードを見せずにドレスコードを破った」と話題を呼びました。
一方で、肌が透けて見えるドレスを堂々と着用してレッドカーペットから退場させられたと伝えられているのが、中国人女優チャオ・インズです。華やかな装飾が施されたシルバーのシースルードレスを着用して肌見せしたことが、新たなドレスコードに抵触するとしてスタッフから退去を促されたと報じられていますが、本人からコメントは出されておらず、レッドカーペットの滞在時間が長すぎたためだと報じるメディアもあり、情報が錯綜(さくそう)しています。
ほかにも、ジョージ・クルーニーの妻で人権派弁護士のアマル・クルーノーさんが、オフショルダーのクラシックなトレーンが美しい黒いドレスを着用し、さりげなくドレスコードを無視したとの声が上がるなど、連日多くのセレブが新たなドレスコードへの挑戦を続けています。
通常、このような大がかりなイベントでは、スタイリストたちが数カ月前から衣装の準備を行うことが多く、「なぜ直前に発表?」「ファッション業界で働く人々への配慮に欠ける」などの批判も出ています。また、過激な肌見せを禁止することは良いことだとの意見と共に、「ヌードを禁止するのはバターを禁止するパティスリーのよう」「やりすぎ」など反発の声もあります。
今回の新ルールは、今年2月に米ロサンゼルスで開催されたグラミー賞授賞式のレッドカーペットでラッパーのカニエ・ウェストの妻で建築デザイナーのビアンカ・センソリさんが披露した「ほぼ裸」のスケスケドレスが要因となった可能性が指摘されています。昨今、レッドカーペットでセレブたちが大胆に肌を露出するのが定番となり、より過激になっていることが根底にあるのは間違いなさそうです。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)







