日本初の「神主アドベンチャーランナー」が「神主」として初めての新年を迎えます。砂漠やジャングルなど過酷な自然環境下に設定された数百キロのコースを何日もかけて走る「アドベンチャーマラソン」。世界7大陸のアドベンチャーマラソンを日本人として初走破した堺市の北田雄夫(たかお)さん(39)の新年の初奉仕は、「足の神様」として知られる服部天神宮(大阪府豊中市)の「豊中えびす祭」(1月9~11日)です。
北田さんは約1カ月の検定講習会を受講し、今秋に神職(神主)の資格を取得しました。これまでは服部天神宮の「福飛脚」として神事に携わってきましたが、正式に神職として奉仕ができるようになりました。
「気持ちの重みが違います。1000年以上ある日本の歴史でもある神職を学び、気持ちが変わりました」
福娘発祥の神社といわれている服部天神宮の「豊中えびす祭」には30万人以上が訪れます。北田さんは、参拝客の「願い」を神様に届けるため、祈ります。
同神社の加藤大志禰宜(ねぎ=33)は「資格を取得するのは、実家を継ぐ人が多い。ある程度、神職の内容を知っているが、北田さんはほぼゼロからのスタートだった」と振り返ります。神主アドベンチャーランナーについて「唯一無二の存在」と話し、「昔から神主が神社で祈る形態があったわけではなく、例えば、お供え物を持って険しい山に登り、祈りをささげていた方もいる。まさに足を使って、祈りをささげることでした」と説明します。
極寒、マイナス30度のアラスカ、砂漠、極限の中で走ってきた北田さんは言います。
「レース中に、なんで走っているのだろう? と思うこともあります。一方で生かされているなとも。限界にチャレンジできること、足が動くことへの感謝が深くなる」
人間の限界を超えるには感謝とともに「祈り」もあるといいます。
「地球の果てで1人で走っていると、家族、応援してくださる人のことを思う。祈りに近い思いが込み上げてきます」
正式に神職として祈る立場になりました。
「走ること、祈ることは、まったく違うように見えますが、走ることは祈ることです」
新年早々、神主アドベンチャーランナーが祈ります。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)




