少し前から話題のショートドラマ。1話最大3分ぐらいで20~30話。ウェブ漫画と同じ感覚でサクサクと見られるので若者に大人気だ。当初は縦型で1シチュエーション、そして会話劇が中心であったが、最近はテレビドラマと遜色ない出来のものも多く、今後さらなる飛躍が期待される。
そこで、まず紹介したいのは監督作品「イケないマネジメント術 童貞スタッフの風俗日記」。ショートドラマアプリ「BUMP」で11月11日より配信されている。風俗店を舞台に童貞スタッフがマネジメント術を学ぶ…テーマ的に地上波などではなかなか放送できず、自由度の高いショートドラマならではの企画だと思う。
映画との違いはとにかく次話への“引き”をどうするか。話の最後に続きをみたくなる構成にする必要がある。映画を小説だとしたら、まさに漫画雑誌。気になる展開を常に用意することで、視聴者を引き付けることが重要だ。同じ映像作品だが、サッカーとフットサルぐらいの違いがある。気になる方はぜひ本編を観てみてほしい。
さて本題。今回紹介したいのは本作で主演・誠を務める倉須洸(22)。昨年行われたアミューズボーイズオーディション「NO MORE FILTER」でグランプリを受賞し俳優デビュー。イラストを見てもらえばだが、整った顔に高身長、数多くの有名俳優を輩出している事務所のオーディションでグランプリと、役(童貞スタッフ)には全くと言っていいほど合っていない。
しかし、オーディションの時に見せた実直な性格と不器用なしぐさが、どこか本作の主人公・誠とシンクロした。芝居を初めて1年、20歳を過ぎてからなので同年代の俳優に比べると遅い。とはいえオーディションのグランプリなのでどこか自信もある。今思えば、いろいろな化学反応が彼の中で起きたのだと思う。本当に?と思う人は、ぜひとも作品をみて確認して欲しい。違和感なく作品の中に入っていけると自信をもっておすすめする。
倉須洸、今回の撮影現場を経て改めて面白い存在だと思った。10代からはじめ、すでにどこか手慣れている同年代の人気俳優に比べると圧倒的に初々しさは感じるものの、そのポテンシャルは無限大に感じる。物語の主人公同様、このままうまく成長していってほしい。ショートドラマから新しいスターが生まれる日も近いのかもしれない。
◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。最近では映画「その恋、自販機で買えますか?」「映画 政見放送」「追想ジャーニー リエナクト」などを手がけた。





