チャーハンを作る音だけで2時間。先月、異例の試みでツイッターのトレンド入りとなった文化放送「チャーハン特番」の無料配信がユーチューブなどでスタートし、在宅の大型連休に耳を傾ける人も多い。「おなかすいた」「飯テロラジオ」など話題を集め、担当者は「気持ちで負けないために、少しでも食欲が上がれば」と話している。

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「チャーハン特番」は、文化放送に近い東京・浜松町の街中華で録音され、先月20日深夜に放送された。たまごをかき混ぜたり、強火で中華鍋を豪快にふっているチャーハン作りの音や、から揚げを油の中に投入する音、ギョーザを焼く音など、食欲をそそる音がひたすら続いた。

異色の試みにSNSも沸いた。ツイッター上に「いまチャーハン作ろうか考え中」「ネギは手が空いた時に刻むんだね」「この放送聴いている人とは仲良くなれそう」など約4200件の投稿が寄せられ、「チャーハン特番」がトレンド入り。手作りチャーハンの画像アップも相次いだ。放送後、「次はいつ放送するのか」などの問い合わせが多く寄せられ、音声の無料配信となった。

企画した加藤慶プロデューサーは、「トレンド入りには驚きました」とし、「昨年12月に、たき火の音だけ放送した“たき火特番”が好評だったので、次なる音の風景としてテーマにしました。こういう時こそ、おいしいものや好きなものを聴いて食べて、リスナーと一緒に難局を乗り越えたい」と語る。

チャーハンにしたポイントは、やはり音。「和食はあまり音がしないんですよね。中華は強火で炒めたり揚げたり、おたまと中華鍋がカンカン当たったりと豪快な音がするので、何を作っているのか想像して楽しいと思いました。チャーハンはみんな大好きですし」。録音は、プロ野球中継でも使用している3Dオーディオ技術を使用。「イヤホンやヘッドホンで聴くと、調理場にいるような感覚が味わえておすすめです」。

放送の冒頭とエンディングで案内役を務めた石川真紀アナウンサーは「あなたが思い浮かべるのはどんなチャーハンでしょうか。私は多めに作ったチャーハンをおにぎりにして楽しんでいます」。加藤さんは「リスナーの反応を見ても、たまごが先か、ご飯が先かなど、チャーハンは意外と奥深かった」とし「次も楽しんでいただけるよう、音のテーマを考え中」という。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)